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ゼロエネルギーハウス(ZEH)
2017/06/19

    世界はすでに二酸化炭素(CO2)排出を減らしながら成長する時代に入っている。

    世界の温室効果ガス排出量はCO2換算で年間約370億トンに上る。日本はこのうち約14億トン(2013年度)で世界5位。

    エネルギー消費を削減する日本での試みの一つとしてゼロエネルギーハウス(ZEH)の建設がある。欧州でも同様のトレンドがみられる。

ゼロエネルギーハウス
    2020年以降に日本で建築される住宅は、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)化が国の目標となっている。

    ZEHとは、自宅で「創るエネルギー」が「使うエネルギー」よりも大きい住宅のこと。経済産業省では、ZEHは「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」と定義している。

    ZEHを実現するには、建物自体の断熱性の向上や省エネ性能の高い設備機器を採用して、消費するエネルギーを大幅に抑えると同時に、太陽光発電などによって大量に電力を作り出す必要がある。それによって「ゼロエネルギー」を達成するのは、非常に難しいと思われるかもしれない。

    しかし、ZEHは既に実現しつつある。2013年1月から2013年12月までに入居済みの太陽光パネルなどを導入した3545戸を対象に、データセンターのサーバーに蓄積された2014年1年間の消費電力量・発電電力量・電力量収支を分析し、電力量収支が0以下になるZEHがどのくらい実現しているかを調べたデータがある。調査対象の66%がZEH化を達成していた。

    ZEHの判定基準は2つあり、1つは建物内にある家電の消費電力も含めて計算する方法で、いわば究極のZEHといえる。もう1つは、家電抜きで、建物本体と主要設備の消費電力に限ってカウントする方法である。

    調査結果によれば、「ZEH(家電込み)」は全体の17%にとどまるが、「ZEH(家電抜き)」は49%と大きな割合を占めている。

    「家電込み」と「家電抜き」を合わせたZEH全体では66%となり、3分の2がゼロエネルギーを達成している。つまり、ZEHは「未来の住まい」ではなく、すぐに手の届くところにある。

固定価格買取り(Feed-in Tariff)制度
    再生可能エネルギーの普及のために、政策により現在まで、電力会社による買取り価格を高めに設定されてきたが、この4月から改正され、買取り価格は下がる傾向にある。

    固定価格買取り制度(FIT制度)における2016年度の太陽光発電の買取り価格は住宅用(10kW未満)で31円(出力抑制なし)の余剰買取を10年間、産業用(10kW以上)で24円の全量買取りを20年間と決められているが、2017年以降も毎年2〜3円引き下げられて住宅用は2019年には24円(出力制御なし)まで落ちる見通しである。

    FIT制度で定める期間を過ぎると規制が取れ、電力会社や新電力などの電気事業者は電力を買わなくてはいけないという義務がなくなる。とはいえ、単価は下がるものの買取り自体は11年目以降も続くと予想される。


ZEH仕様のモデルハウスの例

    東京都江東区の住宅展示場「スマートハウジング豊洲まちなみ公園」は、すべてのモデルハウスが太陽光パネルなどを備え、「ゼロエネルギー時代の新しい暮らしを体験できる」とうたう。4月下旬の日曜日、来場者でにぎわった。

    展示住宅には「ZEH仕様」などとマークが付き、来場者もさらりと会話に使う。断熱や太陽光パネルで「省エネ」や「創エネ」の機能を高め、1年間の「1次エネルギー消費量」を正味でゼロ以下にしている住宅のことだ。つまり、「使う」より「生み出す」エネルギーが多い。

    ZEHは全体の電気代が安くなるのが魅力で、普及が加速している。ZEHのための政府の補助金を受けた件数は4年前の初年度は443件だったが、2015年度は6千件超へ急増した。

家電メーカーと住宅ビルダーの連携
    家電メーカーは住宅エネルギー管理システム(HEMS)の販売に熱心だ。ZEHの普及をにらんでシャープは蓄電池の電力をDC(直流)のまま使えるルームエアコン「蓄電池連携DCハイブリッドエアコン」の普及に取り組んでいる。これは蓄電池に蓄えられたDC電力を交流(AC)に変換することなく室外機に直接供給できるので、ACで給電する場合と比べて、最大約5%の変換ロス低減可能である。

    最適な運転を制御するクラウドHEMSにより、蓄電池とエアコンを連携させ、時間帯や太陽光発電の状況、蓄電池に残量に応じて、DC/ACを自動で切り替え運転する。

    三菱電機やパナソニックなど他の家電メーカーもエアコンや冷蔵庫だけでなく、テレビや洗濯機、電子レンジといった家電機器をHEMSで制御し、エネルギー消費を最小に抑えるシステムを提案することによって、ネット・ゼロ・エネルギー住宅の普及を加速しつつある。

「ZEH」に欠かせないHEMS
    ZEHには、創エネルギー・畜エネルギー・省エネルギーを、かしこく制御するためのHEMSが欠かせない設備となる。政府は2030年までにすべての住まいにHEMSを設置することをめざしていて、今後注目がさらに高まるであろう。

    ZEHに対する政府の補助金は昨年まで130万円であったが、今年度からは115万に引き下げられた。

    いま、ZEHとして新築される戸建ては年間で1万戸程度。日本全体の新築戸数は40万戸/年なので、政府の目標達成には「倍々ゲーム」の伸びが必要だが、メーカーはZEHを重点項目に掲げ、勢いがある。ミサワホームは17年度に販売する全住宅の基本仕様をZEHとする計画だし、パナホームも18年には全てをZEH化する。

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