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グロ−バル冷媒規制の最新動向(前篇)
2017/02/27

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  ────────────────────  発行 株式会社ジアン (JARN Ltd.)
    eJarnClub通信:グロ−バル冷媒規制の最新動向(前篇)
  ─────────────────────  2016年2月27日
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ http://www.ejarn.com
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◇掲載:P36、 JARN 2016年12月号、P28、P29、 JARN 2017年1月号
 ▼原文(英字)はこちらから
http://www.ejarn.com/news.aspx?ID=42972
http://www.ejarn.com/news.aspx?ID=43722

I N D E X
 └────────┐
└▼ 序文
└▼ 01. グローバルでの取組み動向
└▼ 02. 先進国の動向
   └▼ 2.1. 欧州
   └▼ 2.2. 北米
└▼ 03. HCFC規制の先進国
└. 04. 新興国の動向
   └. 4.1. 東南アジア
   └. 4.2. 中国
   └. 4.3. インド
   └. 4.4. 中東
   └. 4.5. アフリカ
   └. 4.6. 中南米

【序文】
    環境問題に関連する法規制としては、冷媒規制や省エネ規制の他に有害物質規制などの環境規制が挙げられる。これまでの経緯を見ると、環境意識が最も強い欧州連合(EU)の法規制や施策が他地域においても全面的に、又は部分的に踏襲されるという状況が繰り返されているように見られる。冷媒規制においても同様で、CFC、HCFC、HFCと段階を追って、EUでの取組みがグローバル化してきたと言える。

【グローバルでの取組み動向】
    モントリオール議定書にて、オゾン層破壊係数(ODP)が非常に高いCFC冷媒 (R11、R12など)が先ず規制対象になり、途上国でも2010年までに全廃となった。次に、HCFC冷媒(R22、R123など)も矢張りオゾン層に悪影響を与えるため規制対象となった。先進国のHCFC廃止期限は2020年、途上国は2030年までと設定されており、現時点では、ODPゼロのHFC冷媒(R410A, R134aなど)への置き換えが多くの国で推進されている。

    しかし、1994年の京都議定書では、HFC冷媒の地球温暖化係数(GWP)が極めて高いことが問題視され、温室効果ガス削減目標の達成に向けて、低GWP代替冷媒への移行が急務となった。10月15日、ウガンダのキガリで開催された第28回モントリオール議定書締約国会合(MOP 28)において、HFC冷媒を削減対象物質とし、先進国と途上国の段階的削減目標を定めた「キガリ改正」が採択された。

    京都議定書では先進国だけが削減義務を負い、しかも米国が離脱したという不完全な体制になっていたのに対し、今回のMOP 28では、11月4日に発効した「パリ協定」を補完する議定書として、国際的なHFC削減取組みに対する歴史的な合意が得られたと言える。しかしながら、米国の次期政権がどういう方針で臨むのか現時点では予測困難である。

    今回の改正で、先進国は2019年よりHFC冷媒の生産を段階的に削減し、2036年までに85%削減することが決定した。途上国の大半は「グループ1」に属し、インド・パキスタンと中東主要国は「グループ2」に属す。「グループ1」は2024年にHFC生産を凍結し2045年までに80%削減する。「グループ2」は、少々遅れて2028年に凍結し2047年までに85%削減することになった。

【先進国の動向】

【欧州】
    EUでは環境保護団体の活動が活発で、冷媒規制でも他地域をリードする傾向が見られる。モントリオール議定書で設定された先進国のHCFC廃止期限(2020年)を大幅に前倒しして達成しており、周辺国も追随している。更に、EU以外に、トルコやユーラシア関税同盟(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン)のエアコン市場でもR22比率が既にゼロとなっている。

    EUでは、10年以上も前からHFC冷媒を規制し、自然冷媒(炭化水素、CO2、水など)に移行させようという動きがあった。2005年10月、欧州議会の環境委員会がHFC冷媒を含むFガスの全面禁止という急進的な法案を可決したが、欧州議会で否決された。最終的には、欧州理事会案通りに2007年7月より定期的なHFC冷媒洩れ検査を義務付けるという穏当なFガス規則が施行された。

    2015年1月に施行された改正Fガス規則では、2030年までにHFC冷媒の消費量を79%削減するという目標を設定した。段階的なHFC削減の実効性を確保するため、2017年1月よりプレチャージ機器のメーカー及び輸入業者は、製品に充填されているHFC冷媒がEUの段階的削減スキームの下でカバーされている旨を記載した適法性申告書を提出する必要がある。

    カーエアコンに関しては、自動車用エアコン(MAC)指令によって、2013年1月より新型車ではGWP 150以上のFガスは禁止されている。更に2017年1月以降に生産されるEU向けの車も全て規制対象となった。当初、主要メーカーはR134aからCO2への切替えを検討していたが開発に長期間を要するため、デュポン(現ケマーズ)とハネウェルがカーエアコン用に共同開発したGWP 4の混合冷媒、HFO-1234yf(R1234yf)に移行することになった。

    全密閉式の移動式住宅用エアコンは、2020年1月よりGWP 150以上のFガスの使用が禁止され、冷媒充填量3kg未満のスプリット型エアコン(マルチを除く)は、2025年1月よりGWP 750以上のFガスの使用が禁止される。

    北欧諸国では環境規制に関して、EUよりも更に急進的な動きを示すことが往々にしてある。デンマークは、Fガス規則の公布以前から冷媒充填量10kg超の空調冷凍機器の輸入・販売を禁止しているが、昨年、この規制を強化して、HFC冷媒を充填した全ての空調冷凍機器の輸入・販売を2030年より禁止する旨を提案した。

【北米】
    EUや日本に比べると、米国とカナダではHCFC規制が非常に遅れ、漸く2010年1月よりHCFC冷媒を使用するエアコンの輸入・生産が禁止され、2015年1月より販売も禁止された。しかも、RAC市場ではR22比率がゼロとなっているが、パッケージエアコン(PAC)市場では依然として約1割を占めていると見られる。

    米国の主要メーカーは冷媒の代わりに窒素(N2)を充填した「R22ドライチャージ・コンデンシングユニット」を提供している。据付業者は、既設のダクト型室内機やA字型コイルと組み合わせて更新用の室外機を設置する際に、R22冷媒を充填するというやり方をしている。冷媒が充填されていない室外機は、環境保護庁(EPA)の規定では半製品扱いになるので合法だと言うが、グレーな存在であることは確かであり、R22冷媒の供給が少なくなるに連れて、米国での市場価格が高くなっているので、早晩この種の製品は姿を消すと見られる。

【HCFC規制の先進国】
    東アジアの日本・韓国・台湾・香港及びオーストラリア、ニュージーランドでは、既にR22比率がゼロとなっている。日本では、1988年施行のオゾン層保護法などの規制によって逸早くエアコン業界がHCFC冷媒からHFC冷媒に移行した。当初、ルームエアコン(RAC)はR410A、PACはR407Cというように棲み分けていたが、暖房時の成績係数(COP)競争ではR410Aが有利なため、各社ともRAC/PACの両方にR410A冷媒を採用した。

    台湾では、2010年1月よりHCFC冷媒を使用する7.1 kW以下のエアコンの輸入・生産を禁止している。香港は、早くも2002年より政府物件でHCFC冷媒の空調機の入札を不可とした。2015年1月よりR123以外のHCFC冷媒の空調機が全て輸入禁止となったが、R123はGWP 77とHCFC冷媒の中では例外的に低くターボ冷凍機に使用されているので、2020年まで適用を猶予されている。

    オーストラリアでは、2010年7月よりHCFC冷媒を使用する製品の生産・輸入を禁止した。環境問題に熱心だった労働党政権は2012年7月より炭素税を新設し、エアコンも課税された。冷媒のGWP値に連動してエアコンの税額が決まるという規定だったため、低GWPのR32エアコンの普及にプラス影響を与えるかと期待されたが、政権交代によって、2014年7月に先進国では初めて炭素税が廃止された。

(続く)

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