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世界エアコン市場 — 概観
2017/04/04

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  ────────────────────  発行  株式会社ジアン (JARN Ltd.)
    eJarnClub通信:世界エアコン市場 — 概観
  ─────────────────────  2017年4月4日
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛                                     http://www.ejarn.com
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◇掲載:P45、52、54、JARN  2017年1月特集号
 ▼原文(英字)はこちらから
http://www.ejarn.com/news.aspx?ID=43277

I N D E X
└────────┐
└▼ 序文
└▼ 01. アジア市場が堅調な伸び
└▼ 02. 米国の課題
└▼ 03. 先端技術
└▼ 04. RACの優れた機能とデザインを統合
└▼ 05. オンライン販売
└▼ 06. 空調展
└▼ 07. 2016年神戸シンポジウム
└▼ 08. 2017年の市場予測


【序文】
    2016年は2015年のマイナス成長から回復し、好成績を示した。グローバルのエアコン市場は前年比で5.5%増加し1億1,400万台となった。

    アジア市場は依然として好調であった。東南アジア市場は11.2%増加し870万台となった。インドではモンスーンの到来が遅く猛暑期間が長引いたので、エアコン市場は21.2%増加し510万台となった。中国の大半の地域でも夏季に暑かったため大量の在庫が解消でき、ルームエアコン(RAC)市場は前年比で7.1%増加し4,430万台となった。しかしながら、不動産業界が減速した影響を受けて、小規模なオフィスや店舗向けのパッケージエアコン (PAC)は、僅か1.4%増加し市場規模は250万台となった。日本冷凍空調工業会(日冷工)の集計データによると、2016年のRAC国内出荷台数は880万台で、2015年に比べると2.7 %増加し、PACは76万2千台で約1.5%減少した。

    2016年の米国エアコン市場は好成績を示した。ユニタリー、ウインド、ミニスプリット型エアコンは、それぞれ前年比で、6.9%、11.8%、18.2%増加し、市場規模は710万台、700万台、84万3千台となった。現地市場ではアジアメーカーが事業を拡大し続けているので、ミニスプリットの市場認知度が高くなり、競争が激化している。

    イギリスが欧州連合(EU)からの離脱を投票で選択したので、欧州の数ヶ国が政治的に不安定になっている。2015年に在庫が解消できた後、欧州は安定した伸びを示している。2016年の夏には前年のような爆発的な伸びは見られなかったが、RACは前年比で12.2% 増加し570万台となった。イタリアとスペインでは建設プロジェクトが数件再開され、商業用の需要が新たに生じて来た。欧州のPACは5.5%増加し45万8千台となった。業界は、欧州市場への自信を深めている。トルコなどの東欧は、欧州の生産拠点として注目されている。

    アフリカ市場は、8.3%増加し280万台になった。現地市場は潜在的な可能性が大きいが、近年は天候が不順であり、経済が非常に弱体なため、石油価格の影響を受け易かった。大陸内の主要市場は、エジプト、ナイジェリア、南アフリカである。エジプトは、将来、中東とアフリカをつなぐハブに成長すると期待されている。

    中東は、石油価格の下落に伴い、政情が不安定になっている。現地市場は成長への勢いを失っており、資本の配分も困難である。2016年の中東のRAC市場は3.5%減少し420万台、PACは3.3%減少し71万6千台となり、平均売価も下落した。

    中南米では不況が2年続いたため、2016年のエアコン市場は、18.7%減少し、市場規模は680万台になった。中南米最大のエアコン市場であるブラジルは、2016年に34.2%減少した。日本メーカーは、メキシコを北米と南米をつなぐハブとして位置付けている。

【アジア市場が堅調な伸び】
    東南アジアでは、RACとPACがそれぞれ前年比で、8.9%と9.8%増加し、830万台と39万8千台になった。

    中国における製造コストの上昇と技術者の不足によって、日本メーカーは、生産拠点を東南アジアに移転させることを余儀なくされている。生産拠点と研究開発センターがあるタイの他に、ベトナムにも生産拠点を立ち上げているメーカーもある。東南アジア各国で市場のニーズと省エネ規格が異なっているため、エアコンメーカーは多様なニーズに対応するため各国毎に調査している。

    インド市場は、21.2%増加し市場規模が510万台になった。現地市場は冷房専用エアコンが主流である。日立、ダイキン、パナソニック、シャープ、韓国メーカーがインドに工場を立ち上げている。近年、エアコン生産のサプライチェーンが同国に形成されている。競争が激化する中で、日本メーカーは現地市場の高級ゾーンをリードし始めている。2018年1月以降、新たなエネルギー効率規格が発効するので、インバーターエアコン市場の拡大につながると見られる。

【米国の課題】
    米国は世界最後の手つかずの市場であり、目下、日本・韓国・中国のエアコン及び部品メーカーが市場開発を加速している。

    米国空調展(AHR)では、大手アジアメーカーがいずれもスプリット型エアコン持ち込んでいた。ダクトレス型エアコンの積極的な売り込みに対し、米国メーカーは、新技術を採用したダクト型エアコンで対抗しようとした。

    米国の新政府の今後の政策が大いに注目を集めている。米国産製品への保護貿易が回避できなくなると、アジアメーカーは米国内での工場立ち上げを余儀なくされるも知れない。

    米国が冷媒問題、特にキガリ改正に対応してハイドロフルオロカーボン(HFC) 段階的削減計画にどのように対処するのか? 米国での冷媒開発の動向に多大の関心が寄せられている。その他に、米国の省エネとエネルギー管理の方向はグローバルでのエアコン業界に多大な影響を与えると見られる。

【先端技術】
    日本メーカーは、先端的な人口知能(AI)やモノのインターネット(IoT)技術をエアコンに応用し始めている。個人的な生理的情報に基づいて室内温度と湿度を 調整するゼロエネルギー住宅(ZEH) 及び住宅用エネルギー管理システム (HEMS)が見られるようになるまで余り長時間は要しないと思われる。

    日本メーカーは、新型センサー、気流コントローラー、温度管理システムを活用して、室内環境を大幅に改善してユーザーの健康に役立つと共にエアコンの省エネ性能を強化している。温度と湿度の正確な制御だけでなく作動不良の予測も、AI技術を応用すれば可能になる。

    パナソニックは、藤沢サステナブルスマートタウン(SST)の老人ホームにおいて、クラウドコンピューティングが可能なヘルスケアサービスシステムを立ち上げた。ダイキンは、老人性アルツハイマー病の予防に空調システムを活用する方法についてテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)において研究開発を実施している。

【RACの優れた機能とデザインを統合】
    RACは、優れた機能とデザインを統合した家電品に発展してきた。デザイン更新のサイクルが以前よりずっと短くなっている。メーカーは新素材・新技術と流行のスタイルを組み合わせて新機種をデザインすることに注力している。RAC設計者の中には、非常に前衛的な人もいて、保守的な室内機という古い観念を完全に打ち破った独自の室内機をアピールしている。例えば、ユーザーは有名な絵や自前の作品など多様な選択肢の中からお気に入りの特注デザインの前面パネルを選択することが出来る。今やRACは、ユーザーに対して快適であると同時に審美的な生活をもたらしている。

【オンライン販売】
    オンライン販売がグローバルで普及している。インターネットでのエアコン販売には幾つか問題があり、他の消費財に比べると余り一般的でない。例外的なケースとして、ブラジルと中国ではエアコンのオンライン販売が世界的に見て普及している。 両国でのオンライン販売を推進するために、中国のエアコンメーカーは、ショールームによってユーザーが製品を直接体験し、購買動機を高めるようにしている。 しかしながら、依然として多くのメーカーがオンライン販売によって価格戦争になることを懸念している。

    エアコンのオンライン販売には、その他にも問題がある。特に、据付工事やアフターサービスがエアコンの電子商取引にとって最大の課題である。ウインド型は、据付が容易なのでオンライン販売に適しているが、スプリット型の据付には、プロの技能が必要である。多くのメーカーにとって、広い地域をカバーする据付やアフターサービスの資格がある技術工を十分確保することが困難である。

    電子商取引では、プラットフォーム上に公開された購入した製品に関するユーザーの評価が他の潜在的な購入者に対して強い影響力があるので、低品質の製品は市場から排除される。また、この評価システムは据付業者にも適用され、 品質が改善されれば、エアコンのオンライン販売にとって有利になる。

【空調展】
    ドイツのチルヴェンタ、中国制冷展(CRH)、 米国空調展(AHR)、イタリア空調展 (MCE)など、世界中から数多くのメーカーやディーラーが参集する名高い国際的な空調展が幾つかある。その他に、ロシアClimate World、トルコISK-SODEX、韓国 HARFKO、 タイRHVAC、 ブラジルFEBRAVA、 豪州ARBS、  ドバイBig 5 等も毎年参加者が増えている。中国輸出入商品交易会(広東フェア)は、海外市場にも多大な影響を与えており、中東やアフリカのメーカーも 出品している。 更にその他にも世界の地域ごとに多くの空調展がある。

【2016年神戸シンポジウム】
    日本がHFC-32 (R32)やハイドロフルオロオレフィン(HFO)などの微燃性冷媒に関するリスクアセスメントの科学的な実験データを提供している。

    日冷工が主催した「環境と新冷媒 国際シンポジウム2016 (神戸シンポジウム2016)」が12月1〜2日、神戸市で成功裡に開催された。規制緩和によって、世界で始めて日本において、R32、R1234yf、R1234ze(E)が冷凍空調機器の不活性ガスとして使用可能となった。

【2017年の市場予測】
    2016年の猛暑がエアコン販売を押し上げた。

    今年は、インドと東南アジア市場が期待された地位を維持している。米国のダクトレス市場を除いて、日本及び米国市場は、大幅な伸びはないが、安定した成長段階に入ると思われる。中国は以前のような大幅な成長の勢いは失うが、依然として緩やかな成長を遂げる潜在力はある。

    全体的に見て、2017年のグローバルでのRACとPACの需要は、6.5%及び4.5%増加すると推測される。

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注:今回の特集号のエアコンには、主に個別の部屋の空調に使用されるルームエアコン(RAC:ダクトレス式スプリット、ウインド型、ポータブル型エアコン)及び主に店舗や全館の空調に使用されるパッケージエアコン(PAC:ユニタリー型エアコン、ダクトレス式スプリット)が含まれる。ビル用マルチ(VRF)、ミニVRF、ガスヒートポンプ(GHP)に関する詳細な市場情報は、JARN5月特集号に掲載予定。

    この特集号の表やグラフは、特に出典を記載している場合を除き、JARNデータに基づき作成した。なお、JARNデータは、主にグローバル大手空調メーカーに対するアンケート及びインタビューへの回答に基づいている。

(終わり)

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